大嫌いでも大好きだから
「俺? 俺は鳳松葉」

彼は名乗った。


鳳松葉…。
聞いたことがあるようで、ない名前。



ふと彼の学ランを見やると、
そこにはわたしと同じ学年の校章。

同学年だということを瞬時に悟った。




彼は背が高くて、すらりとした細身の体。

はっきり言って、
ものすごいイケメンだ。


思わずわたしは見とれてしまった。



「君は冴原紫音ちゃんだろ?」

そう言うなり、
鳳くんはベッドを降りてわたしに近付いてきた。
< 40 / 59 >

この作品をシェア

pagetop