上司なダーリン
強敵現る
「寂しい…」
今日はたくちんは有給で仕事を休んでいた。いつも顔を合わせる事が当たり前だった毎日がいかに幸せだったのかつくづく思い知った。事務員の坂本さんが話掛けてきた。
「松木課長、痛風でお休みらしいよ」
「えっ?痛風なんですか?」
聞けば持病で痛風を持っているとの事。私には一言も言わなかったくせに…
続けて坂本さんは言った。
「松木課長優しいよね、私嫌いじゃないな」
な、な、なにぃ〜!!
坂本さんは私より年上で一年先輩だった。私なんかと全く違って大人の色気ムンムンだった。「私、体には自信あるのよねぇ〜。彼氏はいないけど…」
そう言って私を見た。
確かに私は胸もペチャンコで幼児体系…。坂本さんとは雲泥の差があった。
ヤバいよ私!完全に負けてる!こんな人がたくちんに手を出したら私捨てられるかも…。
恐ろしくなってトボトボ席へ戻った。
「たくちん、寂しいよぅ、逢いたいよぅ…」
その日の1日は長かった。いつの間にか私の胸の中をこんなにいっぱいたくちんで埋められていたとは気付きもしなかった。こんなに好きだったとは思いもよらなかった。
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