上司なダーリン
それからたくちんは続けた。
「痛風は昔から持ってるし大したことないよ。瀬菜の事だから心配すると思って言わなかっただけだよ。それが裏目に出てたのなら謝るよ、ごめんね」
やっぱり大人は違うなぁ…。つくづく自分の子供っぽさが情けなかった。
「ねぇ、たくちん…私の事好き?」
「だぁ〜い好き」
「私のどこが好き?こんな子供みたいな私…」
「ぜ〜んぶ好き。そのぱっちりおめめも小さな鼻もお口もすぐスネる所も外も中身も」
くすぐったかった。
「ありがとう。私はお父さんみたいに包容力のあるたくちんが大好き」
「お父さんみたい…かぁ」
あれ?私変な事言ったっけ?
「とにかく私もたくちんの事全部好きだよ」
「でも瀬菜が思ってるよりも俺の方がずっと好きだよ」
「うん、ありがと。今日はごめんね」
何だか照れくさかった。私こんなに幸せでいいのかなぁ。毎日逢える幸せ。初めて逢った時はまさかこんな関係になるなんて思ってもみなかったなぁ。年の差も全く感じないし、こんな恋愛もありだなぁ。単純な私は既に坂本さんの存在を忘れていた。
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