lotlotlot2-ふたつの道-
緑の波
体を乗っ取ると、記憶も乗っ取れる。声の主は、男の記憶を観察した。
「そうか、なるほどな。この体との相性を調べるために、こいつらを殺してみるか・・・。この、るるんぱ様の復活の贄としてやる。」
男は完全にリーグの父親ではなく、魔法使い“るるんぱ”になっていた。

あと、少しで日が暮れ始める。
僕は今日もまた、ここに泊まらなければいけないのだろうか。不安が頭を過ぎった。せっかく、やっと元に戻せた?と言うのに迎えが来ないのでは、お話にならない。
「もう、リーグ・・・いい加減にしろよ。」
暇だ。あまりにも暇だ。
僕はいつの間にか眠ってしまった。けど、自分が寝ているって気がつかなかった。なぜなら、ついさっきあった事を夢見ていたからだ。

「lot。」
・・・。
「また、ダメか・・・。」
大きくため息をついた。自分の力なのに、自分の思い通りにならないもどかしさ。怒りも感じた。
「いったい、どうやれば出来るんだよ。あぁ、じいちゃんまでとは言わなくても、せめてエーマリリスさんくらいに言術が使えたらな・・・。」

はじめは全然考えもしなかった。
でも、自分で言った言葉の中に、大きなヒントが隠されている事に気がついた。
「そうだよ、エーマリリスさんだよ。あれを真似すればいいんだ。」
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