lotlotlot2-ふたつの道-
死者達の作戦
「イバーエ。起きろよ、イバーエ。」
声が聞こえる。
<あれ、誰だろう?>
夢の中で、声の主を探した。けど、誰の姿も見えない。
<おかしいな。気のせいかな?>
それでも声は、僕を呼び続ける。
「起きろよ、イバーエ!」
かなり大きな声だ。それが僕を夢の世界から、こっち側に呼び寄せた。
ゆっくりと瞼を開く。でも、それほど明るくない。むしろ夢の中の方が明るかった。

「リーグ・・・?」
「リーグじゃないよ。とっとと起きろよ。」
すごい剣幕だ。
「何だって言うんだよ。いきなり・・・。」
寝起きから怒鳴られるのは、あまりいい感じはしない。
「いいから、早く起きろよ。」
リーグは、僕の話を聞こうともしなかった。
その理由はすぐにわかった。
「おじさんが・・・?」
リーグはズズカ夫人に聞いた事を、そのまま僕に話してくれた。
「そんなの、そんなのあり得ないよ。」
エリシアのための涙を流した。
「そんなの・・・そんなの・・・。」
僕の涙は止まらない。対して、リーグは冷静だった。
「泣くなよ。泣いたって、エリシアは生き返らない。わかるな?」
僕は頷いた。
< 30 / 87 >

この作品をシェア

pagetop