lotlotlot2-ふたつの道-
「けど、親父は生きている。なぁ、リーグ、親父が本当にエリシアを殺したと思うか?」
「聞くなよ、そんなの・・・。あり得るわけないだろう。」
「だろ?だから、助けようぜ。俺たちで親父を。」
ズズカ夫人が言うには、リーグのお父さんは、村のどこかに閉じこめられているらしい。
「助けるってどうやって?」
「それはこれから考える。ただ、お前の言術があれば、どんな困難があったって大丈夫なはずだろ?違うか?」
「・・・。」
何も言えない。
「大丈夫だ。そんなに深く考えるなよ。」
リーグは僕の心の内など考えることなく、軽く僕に言った。肩に置かれたリーグの手の平に、嫌悪感を抱いた。

「あ、言い忘れてた。」
「何を?」
「ズズカさんが言うには、俺たち死んだことになってるらしい。」
「えっ?」
思ってもない言葉に、僕は言葉を失った。同時に何とも言い難い寂しい気持ちになった。
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