lotlotlot2-ふたつの道-
「なんで?」
るるんぱには意味がわからなかった。
「俺の親友を殺したからだ。」
「親友?敵が親友なの?」
「イバーエは親友だ。敵なんかじゃない。」
「ううん、敵。言術使いは、魔法使いの敵なんだよ。」
「それはお前達の話だろ?俺には関係ない。」
「関係・・・大ありだよ。だって、君も魔法使いなんだから。」
リーグの表情が変わった。
「俺が魔法使い?」
「そうだよ、知らなかった?ちなみに君の親もそう。それも直系のね。だから、少しの間体を借りているのさ。」
「借りるって事は・・・親父は生きているのか?」
リーグの質問は続く。
「今、目の前にいるのに・・・。死んでいるように見える?」
黙っていれば、父親そのままの姿だ。あながち嘘を言っているようにも見えない。
「親父の体を返せ。」
「さっきは殺すって言ってたのに、今度は返せか・・・。いったい何したいんだか・・・。」
るるんぱは呆れ顔だ。
リーグはそれがムカついた。
「とにかく返せよ。」
「そう言われてもね。本当の体を見つけるまでは、貸しておいて貰わないと。直系の体なんて、そうそういないんだからさ。」
リーグはツバを飲み込んだ。
「直系の体があればいいんだな?」
「そうだね。なら、この体から乗り換えるよ。そうしたら、この体は元通りさ。」
「本当だな?本当に元通りになるんだな?」
「嘘言ってもしょうがないでしょ。」
「じゃ、俺の体を使え。」
意表をついた言葉だ。るるんぱは、あっけらかんとしている。
「もう一度言う。俺の体を使え。」
るるんぱにとっては願ってもない事だ。今の体であるヨコヤの体より、若いリーグの体がいいに決まっている。
「・・・。」
それでも躊躇う必要があった。なぜなら魔法でも、言術でも、他の者に自分の魂を閉じ込めると、純化と言う時間が必要になる。この純化と言う作用は、その体と魂を同期させる作業だ。この純化を行っている間は、完全な自分の体として扱えないのだ。
<例え直系と言えども、時間が必要にはなるな・・・。>
リーグの意識はハッキリしている。閉じ込められ意識が消えかかっていたヨコヤとは、純化にかかる時間が遙かにかかるはずだ。
すぐには返事が出来ない。
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