lotlotlot2-ふたつの道-
天秤の先にあるもの
自分を殺そうとした相手に似ている人がいる。ただ、あくまでも似ているだけだ。
そして、その隣には最愛の人がいる。
こんな時、どうするだろう?
恐怖と喜びが同居する。最終的には、どちらかの感情が勝利し行動を起こすだろう。
アイワイはその渦中にあった。
つい数日前の事だ。
アイワイは朱ずくめの女に殺されかけた。その時の記憶は、今もはっきりと脳に焼き付いている。まるで焼き印のように、決して消える事はない。
だから、似ている人物を遠くから見るだけで、心が小刻みに振るえる。
その時、助けてくれたのがリーグだ。
はじめから何となく気になっていたけど、それが確定したのがその時だ。
心が大きく膨らむ。
<リーグ・・・君。>
葛藤した。果てしない葛藤。そして、アイワイは出した結論はこうだった。
リーグの元へ。一歩踏み出した。

「臭うね。」
わわは言った。
「だね。」
けけも気づいていた。
「けけ、どうにかしてよ。」
「面倒くさいよ。わわ、やって。」
軽いため息のあと、言った。
「しょうがないね・・・。」
前を歩いているるるんぱとリーグは、けけとわわの会話にまるで気がついていない。
その二人に気を使ったのか、わわは小さく唱えた。
「エフス。」
その声に合わせるかのように、小さな火の玉が生まれた。大きさは五ミリくらいだから、火の玉と言うのもおかしな話かもしれない。
それがどこかに飛んでいった。
「わわ、どうかした?」
るるんぱは振り返り聞いた。
「あ、いえ。なんでもありません。」
「そう、ならいいけど・・・。」
るるんぱは再び前を向いた。
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