lotlotlot2-ふたつの道-
アイワイさんが口笛を吹いた。すると、どこからともなく見覚えのあるものがやって来た。
「“鮫、宙を舞う”・・・。」
思わず名前を呼んだ。
「あれ、イバーエ君。この子のこと、知ってたんだ?」
知ってるどころではない。以前に、これに乗ってエラい目に遭っている。そうそう忘れられるものではない。
「ちょっとね・・・。」
「良かったね、お前。この人、お前のこと知ってるって。」
鮫の頭を撫でながら、そう言う彼女の姿は、まるでペットにでも語りかけているかのようだ。
それを受けて鮫もはしゃぎ、尾鰭を左右に揺らしている。
「じゃ、お父様に聞いてくるね。」
鮫にまたがり、それから彼女は言った。
「うん、何かわかったら連絡して。」
そう言われ、彼女は何かに気づいたようだ。
「言葉人形って持ってる?」
「ううん・・・。」
前に彼女から貰ったのはリーグだけだ。僕は貰っていない。
「そうだっけ?じゃ、これ使って。」
「これって・・・?」
リーグの持っているのと少し感じが違う。全体的に淡いピンクに覆われている。
「私が使っている言葉人形。色は好みで変えてあるけど、普通に使えるから。」
「ありがとう。でも、アイワイさんはどうするの?」
「大丈夫。家に帰ったら、また造るから。すぐに出来るから、出来たらそこに連絡するね。」
「わかった。待ってるね。」
僕の返事を聞くと、すぐに鮫は宙に舞った。高く、高く。そして、一瞬でその姿は見えなくなった。
見送ったあと、僕は森の奥へと向かった。リーグの事を思いながら。
たぶん、僕とリーグは同じ道を、同じ方向に向かって歩いている。でも、行き着く先は、まるで別の世界につながっていた。
「“鮫、宙を舞う”・・・。」
思わず名前を呼んだ。
「あれ、イバーエ君。この子のこと、知ってたんだ?」
知ってるどころではない。以前に、これに乗ってエラい目に遭っている。そうそう忘れられるものではない。
「ちょっとね・・・。」
「良かったね、お前。この人、お前のこと知ってるって。」
鮫の頭を撫でながら、そう言う彼女の姿は、まるでペットにでも語りかけているかのようだ。
それを受けて鮫もはしゃぎ、尾鰭を左右に揺らしている。
「じゃ、お父様に聞いてくるね。」
鮫にまたがり、それから彼女は言った。
「うん、何かわかったら連絡して。」
そう言われ、彼女は何かに気づいたようだ。
「言葉人形って持ってる?」
「ううん・・・。」
前に彼女から貰ったのはリーグだけだ。僕は貰っていない。
「そうだっけ?じゃ、これ使って。」
「これって・・・?」
リーグの持っているのと少し感じが違う。全体的に淡いピンクに覆われている。
「私が使っている言葉人形。色は好みで変えてあるけど、普通に使えるから。」
「ありがとう。でも、アイワイさんはどうするの?」
「大丈夫。家に帰ったら、また造るから。すぐに出来るから、出来たらそこに連絡するね。」
「わかった。待ってるね。」
僕の返事を聞くと、すぐに鮫は宙に舞った。高く、高く。そして、一瞬でその姿は見えなくなった。
見送ったあと、僕は森の奥へと向かった。リーグの事を思いながら。
たぶん、僕とリーグは同じ道を、同じ方向に向かって歩いている。でも、行き着く先は、まるで別の世界につながっていた。