lotlotlot2-ふたつの道-
でも、記憶はそう告げている。
その時、映像にノイズが走った。
「アイワイさん?」
「もしかして、どこかに傷がついていたのかも・・・。」
「うん、一回記憶を止めて直さないと・・・壊れちゃうかも・・・。」
この玉はリーグの事を知る重要な手がかりだ。壊すわけにはいかない。
「アイワイさん、止めて。」
そう僕がいい終わる前に、玉は割れてしまった。
最後にわかった事。それはリーグが魔法使いと一緒に、カルサと呼ばれる場所に向かったと言う事実だった。
「カルサってどこだかわかる?」
「ごめん。」
僕より知識のある彼女がわからないのだから、僕がわかるはずもない。
「ううん、気にしないで。」
「でも、お父様ならわかるかも。割れちゃった玉も直せるかも知れないし・・・。一度、家に戻らない?」
僕はこのままリーグを探したかった。記憶に映ったリーグは、いつものリーグじゃない。いつものリーグなら、僕はやりたい事が手に取るようにわかるから、心配なんてしない。でも、今は心配だらけだ。
「僕はこのままリーグを追いかけてみるよ。もしかしたら、そんなに遠くに行ってないかもしれない。だから、アイワイさん・・・アイワイさんだけエーマリリスさんの所に戻ってよ。」
「うん。」
それぞれが、それぞれの想いを胸に秘めていた。それをお互いに否定できない。
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