紅芳記

「小松。」

殿が手招きをし、私はそれに従い傍に寄ります。

「殿…。」

見上げるようにして見つめると、唇が降ってきます。

ぽんっと音を立てるように顔が赤くなる。

こういうことばかりはいつまでたっても慣れません…。

「ははっ。」

殿は満足そうに笑いました。

「もうっ…。」


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