紅芳記
私は一度、目を閉じて息を整えました。
二度、深く息をし、今一度ふじの言葉、世都の言葉、そして己の覚悟を確かめます。
もう一度深く息をしてから、私は言葉を発しました。
「良い。
その時はこの命、惜む事はせぬ。
そして何より…。
世都、私はそなたを信じておる。」
私は世都を真っすぐに見据え、世都も同じように私を見ます。
世都は、一度深い息をしてから、覚悟を決めた目で、私に言いました。
「命を賭して、貴女様の命に従いまする。」