紅芳記

姉上…。

本来なら、竹千代さまにそのようにお呼びして頂ける身分ではないというのに…。

人の運命(サダメ)とは不思議なものです。

「姉上は城下のことに詳しいと聞きました。
なんでも、よく城下に出かけておられるとか。
私に城下の話を聞かせてください!」

「え?
何故、それを…。」

「忠勝殿に聞きました。」

父上が…?

では、私がよく屋敷を抜け出しているのをご存知だったのですね…。


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