Oh まい シスター

試みるは友好条約〜接触B〜

さてさて。



今度のターゲットは兼笠 諸斗だ。





佐々原家の前まで来たならそのまま佐木原兄に接触を謀ればいいのだがあいにく部活に間に合わなくなるしこれ以上清里の近くにいたくなかったから一時退散。





そして今練習中に派手にこけて流血したため保健室に。



保健室には兼笠がいた。



「あ、あれ?
兼笠?お、おはよう」

「おはよ」


そつのない笑み。
ある意味1番話が通じる奴かもしれない。



「体調悪いのか?」

「早く来たから寝てただけ」

なら寝てから来い。


「そっちは?」

「え?あぁ、こけちゃって」


どうやってあとの二人に接近するか考えていたら転がっていたバットを踏んでこけたなんて言えない。





「ふぅん。
じゃ、そろそろ行こうかな」

「かっ兼笠っ」




保健室のドア近くで、兼笠はいつもの笑みを貼付けたまま振り向いた。

普通に話す時も、厭味を言う時も同じ笑顔。




完璧なまでに崩れないこの男に近付くには、俺にはこの手しか思い浮かばなかった。
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