甘いクスリ

恋の処方箋

 



あまいシーツのにおい




なんか、若干、いつもと
肌触りとか違う気がするけど。



気持ちいい・・・





まだ、眠れる。






ウトウト、浅い眠りから
再び、快眠の世界に
誘われようとした時





ガチャガチャ鍵穴をいじる音と
バタバタ走る音がしたと
思ったら、

タンッ!!

引き戸が開く音と


凄い勢いで何かが来て


顔面に激痛が走った。




「ぐぉお・・っ・・・」



なっ?なんだ?!この衝撃?!
ってか、誰?!


顔面に乗ったままの物体を
避けて、起き上がる。


鞄の開口から、
奔放な中身が一望できる。

『コード進行表』
『英会話Ⅱ』
『英和辞典』


いてぇハズだよ・・・
結構、重いし。


ガサガサと、クローゼットを
漁る音がして、そちらを見遣る。


女の後ろ姿を見て、
昨日、都築んちに
泊めてもらった事を思い出す。



ってか、・・・誰だ?あれ。



そうだよ。



都築が俺の顔面を
荷物置きにするわけがない。


どーしよ。



 

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