甘いクスリ
 

重い気分のまま迎えた翌日。


昨日のその後の事は
思い出したくもない。

いや、何かをしでかした訳では
断じてない。

おかげさまで、またしてもや、
何をしにいったんだか・・・
という、自己嫌悪に
苛まれているだけだ。


結局、あの後、俺がシタ事は
頼まれてもいない
訪問レッスンと、怪我の見舞(T_T)


お陰で、今日の音合わせに
彼女のソロは間に合ったけど。


「なにやってんだよ。俺。」

中々のデキだったんで
満足したんだろう
鼻歌混じりに、ご機嫌そうに
楽器を大事にしまう
都築を目の端にいれながら
思わず、ポツリと呟く。


「ホントだよ。
オイタ大好きな割には
ヘタレなんだからぁ
この僕ちゃんてばっ」

「ぬぉっ?!」

・・・真月とレン

いつから隣に座っていたのか
思わず拾われていた独り言に
顔面が硬直する。


マズイ奴らに聞かれた。


これは・・・


・・・間違いなく


おちょくられる・・・


 

 
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