甘いクスリ
 
『堂野君が、最後だろ。
今回こそ、間違いなく。』

『なかなか洒落た
エンディングになりますよね。』

などなど、この度については
満場一致で、俺がオイシイ所を
担当させてもらう事に
なった経緯があるのだ。

目茶苦茶、テンションあがるし。

ここからは、ボーカルも
ちょいちょい、フェイクを
いれてくる予定だ。

レンが俺達の様子を確認して、
ソロ開始のブレークを挟む。


さて、


最大の見せ場の開始だ。


先ずは、鷹尾君が
センターへ進みでた。

立ち位置の関係上、客席からは
真月の隣で弾いてる様に
みえるはずで。

このイベントに、
レギュラー出演している
参加者にとっても、
積年の二人の最終形態を
見ることになる今回のステージ。

また違った楽しみが
あるんじゃないかな。

それが証拠に、客席からは
真月とレンのクラスメートが
夫婦のショットを収めようと
近づく様に手振りでの指示が
でている。

既に、自分の見せ場にかかり、
テンションマックスな鷹尾君に
そんな身内的やり取りが
わかるはずもなく・・・

真月がうまく、
鷹尾と向かい合う様に立ち、
リズムをとり、フェイクすれば

一瞬にして赤面した鷹尾君に
黄色い歓声が沸いて
フラッシュの嵐となる。

 

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