甘いクスリ


 
「彼等も、一応月謝払って
通ってるわけでしょ?
いくら何でも、講師と同枠って
他の生徒達と差をつけすぎじゃ
ないですか?」

新入り講師君が渋い顔をする。

気持ちはわかる。

が、

残念ながら
経営判断なんだな。

「ここがでるだけで、
チケット、馬鹿売れだし、
収益って、ここが一番
あげるんですよ。
企業としては、譲れない
ポイントだそうですよ。」

里奈が宥めるが
納得してない様子。


「ああ・・・っと。
あのさぁ・・・」

俺は、ひそかに
練ったプランを
提案する。

「多分、今年も、アイツらって
大トリだろ?
アイツらとヤリてー奴も多いし
講師演奏のパターン、
変えねぇ?」

「は?」

皆が、不思議そうな
表情をした。

はっきりいって
文化サロンなんて
生徒の自己満足と根気で
成り立つ事業だ。

退会者の損失補填に
このイベントの収益が、
あてられている部分は
大きい。

だから、真月や透は
毎年、どんな状況下でも
客引きパンダの地位が
付与される。


その辺を理解しているから
アイツらは、ノーギャラで
サロンの顔立てている。

自分達だけでやれば
確実に、儲けもある
はずなのに。

 

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