指輪
階段を登り、3階へ。
なんか3階って変な感じ。
私達の高校は、A棟とB棟があって、A棟には職員室・図書室・化学室・家庭科室・物理室・音楽室・美術室・・・・・・・などの特別教室。B棟には、1階が1年生の教室、2階が2年生の教室、そして3階が3年生の教室となっている。だから、3階に登るのはいままでめったになかったから、違和感が。ってゆーか、落ち着かない。

まあ、私がおちつかないのは、人見知りだから1年かかってようやく慣れてきた2年生のクラスからまたクラス替えによって知らない人たちのなかに入るっていうのが一番の原因だ。ほんとに、同じクラスに舞花がいてよかった。
舞花とは、高校に入ってから友達だ。ばんばん人見知りしてた私に最初に声をかけてくれたのが、舞花だった。入学初日から、オレンジっぽい茶髪で濃いめのメイクだった。そして、なぜか、1年から3年まで同じクラスになった。
これはもう運命だっ!!!!!なんてね。

「楓、ぼーっとしてないではやく。もう結構クラスに人いるよ。」
「あー。待ってよ。」

教室に入ろうとしたら、私の前を歩いていた舞花が誰かにひっぱられた。
「・・・舞花?」
驚いて、舞花の腕をつかんだ手の人物の顔を見ると、そこには板ちゃんが立っていた。
「・・・え?」

「・・・痛いなあ。なにすんだよ。・・・って、板ちゃんじゃん。」
舞花も、驚いていた。

「板ちゃんじゃなくて、板田先生だ。って、何回も言ってるだろ。」
「板ちゃんは、板ちゃんでしょ。」
「・・・・鈴木、お前。前に言ったこと覚えてるか?3年になったら髪の色染め直して来いっていったよな。黒に。」
「だ~か~ら、私もいったでしょ。黒くなんかしないって。これは、私の個性なの。」
「個性でも何でも、校則には従え。」
「んじゃー、これは、地毛です。」
「お前なあ、地毛じゃないだろ。・・・・それに、今年は3年生だ。大学受験もあるし。ここは、進学校なんだから、身だしなみくらいしっかりしろよ。」
「だから、地毛だってば。」









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