†神様の恋人†
「…カミーユ……?」

彼女は突然瞳を潤ませると、両手で頭を抱えて震えだした。

「…エリザ…さん!?」

「…やっ…いやっ…やぁああ!!」

激しく取りみだす彼女を静めようとしたその時、彼女が振り上げた腕がわたしの顔に当たり、つけヒゲが床にぽたりと落ちた。

「…あっ…!」

「どうした!?エリザ…」

エリザの声に驚いて入ってきた悪徳商人顔の男が、駆け寄ってきた瞬間、わたしを見て固まる。

男はわたしの顔を凝視すると、わたしの帽子を取り上げ、わたしの顎を強く引き寄せた。

「……やっ…!」

顔を背けようとするけど、男はわたしの髪の紐を力づくで解くと、ニタリと笑った。

………ばれた………!!

「…これはこれは…うまく化けたもんだね。こんなに美しいお嬢さんだったとは。…これはうちの稼ぎ頭になる素質がおありだ…くっく」




………カミーユ―――――――――!!!





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