†神様の恋人†
地下室を出て、昨夜わたしが捕まってしまった部屋へと出た。

殺風景な部屋は相変わらずだけど、一つだけ違ったのはそこにいたのはエリザではなく、昨夜カミーユを誘惑していた娼婦がいたことだ。

「カミーユ…あの人…」

「ああ、彼女に協力してもらったんだ。今もここを見張ってくれていた」

ダークブラウンの長い髪のその娼婦は、気だるげにカミーユに近づいてくる。

「シセに見つからずに出るには、そこのドアを出て裏口から出るといいわ…」

娼婦が指さしたのは、わたしが最初この部屋に入ってきたドアとは反対側のドアだった。

「どうも。世話になったな」

カミーユが裏口へのドアを開いてわたしを細い廊下へと押し出した。

部屋と廊下の狭間で、わたしは振り返って言った。

やっぱりこのままじゃ帰れない。

「ね、カミーユ。やっぱりエリザさんを助けに行こうよ。あのままじゃエリザさんは…」

「だめだ。ミシェルは行くな」

さっきまでとは違うきつい口調に少しドキリとした。

「な…なんで?捕まっちゃうから?カミーユがいてくれたら大丈夫だよ」

カミーユはわたしの両腕をきつく掴むと、怒ったように口調を強めた。

「いいか。ジル・ド・レイには絶対に会うな…!」

………カミーユ――――!?








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