無口な王子様
私の告白が終わると、また二人は服作りに集中した。
お互いに言葉が見つからなくて、そうするしかなかった。


私は心に封印していた思いをやっと解放出来た気がした。

でも、和也があんなことをした理由だけは口に出せなかった。


その理由は、共通の友達から聞いていた。

あまりに残酷な言葉。


――将来的に邪魔になるから。

あんなに愛していた人からの最後の言葉。

そんな言葉の意味なんて、いつになろうが知りたくないよ。
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