Libra ~揺れる乙女心~
毎年恒例の花火大会が行われる8月。
今年は、マネージャーみんなで浴衣を着て、花火を見に行くことになった。
予定のない男子部員も一緒に行くと言い出し、大勢での花火大会。
待ち合わせの場所に少し早く着いた私は、携帯をいじりながら時間をつぶしていた。
複雑な心境・・・
嬉しいような
怖いような・・・
隆介は、ここに来るのか。
それとも、かわいい彼女と2人で花火を見るのか・・・
こういうとき、やっぱり隆介を考えてしまう私は
隆介に恋をしているんだろう。
健太に対する気持ちは『恋』とは少し違っていて、
例え健太に彼女ができたとしても私は心から祝福できるような気もした。
そばにいてほしいけれど、健太の彼女になりたいわけじゃない。
でも、隆介は違う。
そばにいてくれなくてもいい。
冷たくてもいいから、彼女になりたい・・・
そう思う私に気付いた。