Kissシリーズ・「子供とのキス」
ちょうどハロウィンの季節だったので、カボチャを使ったクッキーを作っていたところだった。

試作品が焼きあがったので、親に試食してもらう為に袋に入れて、慌てて店を飛び出した。

そこで、

どかんっ!

と、誰かに激突してしまった。

「ごっゴメンなさい! 急いでて…」

しりもちをついたわたしだったけど、顔を上げて、思わず呆気に取られた。

ぶつかったのは…幼い男の子。

小学校高学年あたりだろうか。

…にしても、キレイな顔をしている。

「いたた…。ううん、僕もちょっと気を抜いていたから」

変声期前の声が、やたらに良く聞こえてしまった。

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