Kissシリーズ・「子供とのキス」
って、ぼ~としてる場合じゃない!

「本当にゴメンなさい。大丈夫?」

わたしは立ち上がって、男の子に手を差し出した。

「うん、ありがとう」

男の子はわたしの手を握って、立ち上がった。

…スベスベしてるなぁ、最近の子供の手って。

……それともわたしの手が、お菓子作りで荒れてるだけ?

ちょっと落ち込み気味になりそうだった時、男の子は屈んで何かを拾い上げた。

「コレ、おねーさんの?」

「へっ? あっ!」

男の子が持っていたのは、パンプキンクッキーだった。

どうやらぶつかったショックで、落としてしまったらしい。
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