天然なあたしは悪MANに恋をする

ズル休みは忙しい

あたしは、レンの胸の中で眠った

朝、いろいろなことが起こりすぎて、心身ともに疲れてしまって…ご飯を食べるとすぐに酷い眠気に襲われた

レンが食器をキッチンへ運ぶと、あたしは部屋に戻ってベッドに潜った

食器を片づけたレンが、ベッドに入ってきたところまでは覚えてる

あたしはそのまま深い眠りに落ちてしまった

遠くで何かが鳴っている…と気がついたあたしは、ぱっと瞼が開いた

レンがあたしに腕枕をしたまま、反対の手で、モソモソと何かを探しているみたいだった

「わりぃ…携帯が」

レンが目が覚めたあたしの首の下から腕を抜き取ると、起き上がって携帯を探した

「あった」

布団の奥に入っていたレンの携帯を見つけると、レンは液晶を見て、驚いた表情になった

「も…もしもし、片岡先輩？」

レンはベッドから出ると、背筋を伸ばした

『ミズナちゃん、平気だった？』

「はい。すみません。ご迷惑をおかけしました。先輩、葉南さんから喧嘩の禁止命令が出てたのに…」

レンが、頭をペコペコと下げながら、口を開いていた

そんなに頭を振らなくても、誰も見ていないのに…

『あ…そのことなんだけど。葉南には内緒で』

「わかってますって」

『それと、これから来れるかな？』

「え？」

『崎先生とも話をしたんだけど…今夜は静かに過ごすより、みんなで明るく過ごすほうがミズナちゃんもナデシコちゃんにもいいんじゃないかって。どうかな？　無理しなくていいんだ』

「はあ」

レンがちらっとあたしの顔を見た

「いいよ。あたしなら平気だよ」

あたしは身体を起こすと、レンに微笑んだ

「わかりました」

『じゃあ、僕の家で』

レンはもう一度、お辞儀をしてから携帯を切った