天然なあたしは悪MANに恋をする
片岡先生の家はすぐ近くにあった

歩いて行ける距離だから…と、レンに言われて、二人で手を繋いで歩いた

片岡先生の家は、あたしの足でも10分はかからない

レンは家の裏に回ると、呼び鈴を鳴らした

「はーい」と声が聞こえると、お腹の大きな女性が笑顔で出迎えてくれた

え? 妊娠中?

あたしの視線は女性のお腹に行く

「お久しぶりです」

レンが、ぺこっと女性にお辞儀をした

「レン君、待ってたよ」

「葉南さん、順調ですか?」

レンの目線も、女性のお腹にいった

「ねえ…もうすぐなんだよ。性別は男の子だって」

女性が大事そうにお腹をさすりながら、口を開いた

「ミズナちゃんだよね? レン君から話は聞いてるよ」

「え?」

あたしは女性の言葉に、目を丸くした

「あ…いや、葉南さんっ!」

レンが、女性の腕を掴むと、首を横に振った

「え? あれ? 彼女じゃないの?」

「あ…まあ、その」

レンが慌てている

頬を赤くしながら、眉間にしわを寄せていた

「違うの?」

「や、そうなんですけど。っていうか、なんというか…」

レンが「参ったなあ」と、呟くと後頭部をぼりぼりを掻いた

あたしが知っているレンとは違う一面が、ここにはあった

焦るレンって初めて見たよ

ちょっと可愛い…なんて言ったら、レンは怒るんだろうなあ

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