約束
「そういうのってなんかいいね」

 褒められたのは私ではなくて、その趣味なのに、それでも心の中がじんわりと暖かくなってくる。それは彼の言葉だから。

 私はさっきの彼の言葉に勇気をもらい、言葉を投げかける。

「木原君の趣味って何?」

「趣味? これってものはないけど、本を読むのは好きかな」

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