Dice
Age 16 : Vo.13 - 改札口 -
携帯のアラームが鳴り、私は目が覚めた。


携帯の受信BOXを確認してさっきのやり取りが現実だと確信した。


2時間授業をさぼった私は教室に戻った。


教室の視線が直接ではないが、私を見ていることに気がついた。



「大丈夫?もうしんどくない?」


愛子が私に声をかけた。


私はうんうんと頷いて笑った。


3時間目から私は授業を受けた。


担任から呼び出され、保健室に行くといって2時間も消えた事情を話せと言われ、図書館で眠っていたと言うと先生は呆れたようにもういっていいと、私に言った。




そして、授業も終わり掃除も終わり、放課後になった。


私はあずさと愛子と別れ、電車を乗り換えた。


携帯にメールをする。



「今向かってる。」



彼からの返事はこうだ、



「もう待ってる。改札を出て正面に学ランを着て、手に雑誌を持ってる。」



電車は、駅のホームに滑り込んだ。


心臓が飛び出そうなほど動いていた。


階段をゆっくりと降り、改札にそっと向かった。


緊張でめまいを感じた。


物陰にそっと隠れた。改札の方を見た。



・・・・いた。




そこには学ランを着た男の子が雑誌を丸めて持って立っていた。


髪は茶髪でパーマを当てている。携帯を頻繁に見つめている。


私は深呼吸をして、心を決めた。




一歩、一歩。




そして改札を出た。
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