Blue Book
靴をはいて
進路希望調査を出せ、と担任の先生に呼び出されていた。

「じゃあ、ネバーランドに就職します」

珈琲の匂いが漂う職員室は暑いくらいに暖房が効いていて、珈琲の湯気がこもっているみたいだと思った。

「お前、真剣に考えろよ。ネバーランドに就職ってできんのか、おい。そもそもこの世界に無いだろ」

長いツッコミだな。
あー、もう。

早く帰りたい私は小さなことに苛々して、時計ばかりを気する。

この暑つさに汗をかきだし、制服の袖を捲くりたくなったが注意されるので、その衝動を押さえた。

ネバーランドがダメ……。

「だったら、FBI」

「はぁ〜……」

こっちがため息をつきたいよ。

うなだれる先生を見ながら、心の中で毒づく。

「もういい。明日までに考えてもってこい」




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