悲恋~歌姫HARUHI~
「おはよう、昨日
おそかったの?」


何もしらないような母が
いつものように話しかける。


「うん。」


麻妃はひたすらまっすぐ前を
向いて朝食をとる。



その隣に私が座ると
音を立てて椅子をずらした。



「どうした?麻妃?
ムシか?」
新聞を見ながら父が驚いたように
顔を出した。



「ムシ?違うよ。
それよりもっとキモイものがいるから。」


そう言って階段を駆け上がる。



「昨日からあの子変なのよね。」
母がため息をついた。



「年頃だからな~」
父は愛おしそうに麻妃を見送って
優しく微笑む・・・・・



麻妃がそんなに可愛いの?
ここにもいるじゃない?


いつの頃からだろう
麻妃に両親をとられたのは・・・・


幼心に傷ついて
ヒロの胸に逃げたあの頃


私の悪が燃え上がる・・・・・
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