黒猫眠り姫〔上〕[完]

心配  said 湊・桐


said 桐

鈴と分かれて15分電話の主とも話しは

終わった。しつこい女で外見だけ判断する

軽い女だった。最初から相手にしていなか

ったが、ケータイに突然電話がかかり、

毎日のように電話をかける。

ついにきれて、一発いってやった。

「おまえに何か興味ねぇから、もうケータイ

にかけてくんな。」

このときの一言に後悔したのは鈴に会ってからだ。

コンビニで鈴が好きそうなお菓子、湊のための

チョコレートなどを買う。

俺っていいやつだなと思いながら、コンビ二を

後にした。雨が降る前に、マンションに着いた。

マンションの下に水溜りが一箇所あって気に

なったがそのまま、マンションに入る。

そうしたら、電話の女が居た。

見てみぬフリをして去ろうとすると、

女はとんでもないことをいった。

「あの娘、朝桐と一緒に居た子、

さっき会ったから、いじわるしちゃった。

でも、桐が悪いのよ。あんな娘なんかと

一緒にいるから。」

なんの悪びれていない顔で言うものだから

余計イラついた。

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