三月の告白
嗚咽が止まらない。
しゃくり上げる肩が恥ずかしい。
右隣りから伸びてきた佳南の手が、あたしの背中を優しく強く摩る。
恥ずかしくて顔は上げられないけど、『頑張れ』って言ってるみたいに感じた。
ピアノの演奏が止む。
週1の朝礼で歌うのが面倒で仕方なかった校歌も、愛唱歌も、あたしが歌うかピアノを覚えるかしない限り、歌うのも聞くのも最後。
この学年で、みんなで歌うのはきっとここで最後。
だいすきな先生にだって
大切な友達にだって
卒業したって会える
だけど、もう
辛いことがあってあの保健室の先生に慰めてもらうことも、授業中このクラスのメンバーで馬鹿みたいなくだんないことするのも、先生をちゃかすのも、大嫌いになるまでぶつかることも
もうできない。
あの時間はもうないんだ。
日常だったことが想い出に変わっちゃうんだ。
それにきっと
あたしがあの人に会うことは、それどころかきっと見かけることすら、卒業したらもう
本当に“二度と”なくなるだろう。
あるかわからない運命を信じるなんて、また会えるかもなんて、そんな保証がないことなんてできないよ。
確かな何かがなにもない。