裏腹

趣乱

人には見せられない中身が、人間にはある。



人は気付かないフリをして気付いている様を装うけど、気付けない。


痛くて痛くてたまらなくて、誰かに助けを求めたくなる。


でもその頃には手遅れで、助けの手すら拒否してしまう。


独りだと痛感して、周りが皆敵だと錯覚する。




人は触れられない。
自分でも気付けない。

見せられない。
見せてはいけない。



ただただ怖くなって、逃げたくなって、泣きたくなって。


人には分からない。




そうしてまた1人、内側に閉じこもる。


誰かに相談なんかできる訳もなく、殻はより強固になり、鍵も一重二重にかけられていく。




内側にだけ閉じこもると、外側はまたまともを装える。



触れてはいけない部分、触れることはできない部分。



でも誰か気付いて。



「もう死にたくなってることに」
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