裏腹

冬の白い地面に黒い空。

無意味に明るい月と星。

音のない田舎の道路のキャンバス。


そこに赤と黒の絵が描かれた。


白い輪郭の中の僅かな黒は大きな点として二つ程。


その上には黒の毛筆の一筆書き、否、殴り書きが一筋。


その下に続く細い判押しから繋がる四つの筆。


長く、細く、バラバラに四方に広がる。


周りを彩る赤は実に鮮明で、白と黒の二つの世界に創造を与える。


赤の中に僅かな黒も混ざる。


生々しい光沢のデコレーションが赤と白に囲まれて笑ってる。


白の続く地面へのアクセント。


嗚呼、何て芸術的なんだろう。


其処から伸びる二つの穴の羅列が踊るように続いてる。


美しい…。


飛散と集合と憎悪の結晶。


周りの白の結晶にも負けてない。


実に鮮明、実に美しい。
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