白の世界
「お、やっとうちとけてきた?」

「うん。やっと一輝くん、あたしにも心を解きはじめてくれたよ。」

「それは、良かった。咲ちゃんは、一輝くんファンだもんね〜。」

「あ、やっぱり、ばれてた?」

「いつも、一輝くんしかみてないもん。」

「いやね、同じギタリストとして勉強させてもらおうと思って。・・・まあ、ファンだけどね。」

「一輝くんも、咲ちゃんのファンらしいよ。ライブ見に行ってから、咲ちゃんの話ししかしないもん。な。一輝くん。」

「・・・・・。」

せっかくうち解けてきたのに、一輝はまた耳を赤らめて下を向いてしまった。


「あらら、これだから、俺が一緒じゃないとダメなんだよね。一輝くんて、こう見えて、なかなか自分から行けないから、女の子の友達全然居なくてさ。」

「そうなんだ。そうなの?」

一輝の方に向き直って聞いてみる。

「・・・。そうだね。俺、女子の友達一人も居ないかも。」

「なんか、びっくり。一輝くん、もてるから、沢山とりまきが居るんだと思ってたよ。」

「全然。ほんと周りは男ばっかり。男としか飲んだことないも。・・・・・・、あの、咲さん。友達になってもらえますか?」

「いやいや、そんな改まって。あたしたち、もう友達じゃん!よろしく。」

と、言ってあたしは一輝に右手を差し出し、ぎゅっと一輝の右手を握りしめた。








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