ひなたぼっこ~先生の、隣~

い・・・言っちゃった!

さっきよりも、手の汗がすごいのがわかる。

「・・・」

すぐに言葉が返ってくるかと思ったけど、返事がない。

恐る恐る、運転席側を見るとー・・・

「・・・なんだ、そんなことでいいのか」

柔らかい目線だけを向けた先生と、目が合った。

ドキン。

「い・・いいです・・」

初めて見た先生の表情に、つい声がつまってしまった。

高鳴る心臓に、少し苦しくなった。

「妹尾になら、携番のついでにメアドも教えるぞ!言っとくけど、メアドまで知ってる生徒は妹尾だけ!」

「私だけ?」

メアドまで知ってる生徒は、いないのかー・・

「って、いらないか?」

「ううん!知りたいです」

「なら、良かった。ほら、赤外線で送っといて」

ポンッと、先生の携帯電話を渡された。

勝手にやっていいものなのか、少し躊躇しながら自分の携帯に先生のデータを送った。


そんなことをしていると、もう家に着いてしまった。


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