あの日の願い
恐る恐る近づくと、近くに落ちていた丁度いい長さの枝でつついてみる。



「あの~?こんなところで寝てると危ないですよ~?」
「うっ、…ょ」



よく見ると、この人傷だらけなんですけど!


やばくない?!既に事故った後とか?ひき逃げ?



こういう時は、110番だっけ?あれ、でも救急車は119番?



「ち、ちょっと大丈夫?!しっかりして!」



必死で呼びかけてみるけど、呻き声が聞こえるだけで一向に起きる気配がない。



「に、兄ちゃん!大至急車!」



切羽詰まった私が電話をしたのは、警察でも消防でもなく、何故か近くに住む兄だった。
< 3 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop