私と彼の関係
「一緒に行こうと思ったその日から寝坊って、全くいい根性してるね」


「時間が早すぎなんですよ」


「遅刻するよりはいいかと思ったんだけど」


 痛いところをついてくる。


 彼はそんな私を見て、ふっと笑う。馬鹿にされたのかもしれないとおもったとき、優しい声が届く。


「行こうか。優菜」


 その言葉が何度も脳内でリピートされていた。彼が私の名前を呼んでいるということがただ驚きだったのだ。


「名前」


「渉でいいよ。そっちのほうがらしいだろう?」


 彼の名前を呼ぶことを何度も頭の中でシュミレートする。想像するだけで顔が熱をもったように熱くなって来てしまっていた。

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