王子様はカリスマホスト
パパとママは、ほぼ即死だったそうだ。

叔父さんが病院に駆け付けた時にはもう2人とも冷たくなっていて。

「唯菜ちゃんが生き残ってくれたことが、せめてもの救いだよ。きっと―――聡介と優子さんが守ってくれたんだよ」

叔父さんがあたしの頭を優しく撫でてくれた。

でも、あたしは顔を上げることができなくて。

何も考えることができなかった。

あたしは、頭を打って気を失ってはいたけれど奇跡的に無傷だったそうだ。

脳波にも異常はなかったけれど、なぜか1週間も眠り続けていたって。

その間に、両親の葬儀も済んでしまっていた。

あたしは、パパとママが死ぬ瞬間にも、お葬式にも立ち会うことができなかった・・・・・。


「検査は、何も異常がないそうだから、もう退院できるよ」

伯父さんが、あたしの着替えを持ってきてくれていた。

「唯菜ちゃんは、今日から家で暮らすことになるけど、いいね?」

その言葉に、あたしは戸惑って顔を上げた。

「じゃあ、あの家は・・・・・・」

「残念だけど、手放すことになるよ。君はまだ15歳だ。1人にさせるわけにはいかない」

その叔父さんの言葉に。

あたしの頬を、涙が流れて行った・・・・・。



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