王子様はカリスマホスト
割れたピンドン
そろそろ夕食の支度をしなきゃ。

そう思って部屋を出てリビングに向かう。

と、ちょうどお兄ちゃんと千尋さんが出てくるところだった。

「よ、唯菜ちゃん、またね」

馴れ馴れしいその言い方に、ちょっとムッとする。

2人で行きかけたかと思ったら、急に千尋さんが振り返る。

「そうだ、オーナーに、俺のカラコン発注しといてって言っといて」

言われて、あたしは目を瞬かせる。

「は?オーナーって・・・・・」

誰のこと?

そう聞こうとした時。

「―――親父だよ」

そうお兄ちゃんに言われ―――

「ええ!?叔父さんがオーナー!?」

「あれ、唯菜ちゃん知らなかったの?もしかして内緒でした?」

千尋さんがお兄ちゃんに聞くと、お兄ちゃんは肩をすくめ。

「しらね。あのおっさん、こいつのこと溺愛してっから。知られたくなかったのかもな。別に問題ねえだろ。行くぞ」

そう言って、とっとと行ってしまい、その後を千尋さんが慌てて着いて行ったのだった。

その姿を呆然と見送り―――

あたしは、1人、呟いたのだった。

「ホストクラブのオーナーが叔父さんって―――似合わな過ぎ」

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