【短編】 ききたいこと

Ⅳ-Ⅱ


 あの日から、私は先生とのメールを絶っていた。

 断腸の思いとはこのことかとおもった。

 けれどこれは私にとってのけじめだった。
 そして、決意の表れだった。

 先生の優しさに頼らなくても、ちゃんと自分にも芯があるということを先生に―――なにより、
 自分自身に、証明すること。

 そのために、私は自分の楽しみすべてを絶つことに決めた。
 そして、自由をすべて捨てた私は、筆を取った。

「ではこれから二学期期末試験1時間目の問題用紙を配ります」

 すべてはこの試験のため―――。
 このときのためだけに、私はなにもかもを我慢して、二週間を過ごしてきた。


(私は、やってみせる……!)


 チャイムが鳴った。

「はじめてください」


 ―――戦いの火蓋は切って落とされた。

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