i want,


「何話しよるん?」


あたし達の会話に自然と入り込む高い声。
その笑顔に、ドキッと心臓が跳ねた。

「あ、みど!おはよ~っ」
「いやさぁ、あおと…」
「たっ、田口の話っ!あいつムカつくよねぇって!」

無理矢理話を反らす。そんなあたしに二人はきょとんとしたが、みどの「あぁ田口!ムカつくっちゃね~」の声に場の空気が救われた。

「なんでいっつもあんな偉そうなんじゃろ」
「標準語が憎たらしさ倍増っちゃね!」
「チビのくせにねーっ」

みんなで顔を合わせて、キャハハッと笑った。



…田口こと田口秀則。
その憎たらしい彼は、今年の春に転校してきた。
そう、あの日有希と職員室前で見た男の子だ。

< 15 / 437 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop