危険ナ香リ
その言葉を聞いて、しぶしぶ離れていく美波先輩。
その時、ギッと怖い目をして佐久間先生を睨んでいたのはあたしの見間違いだろうか。
……にしても。
「もー。敦(あつし)ってば邪魔ー。出てけ」
「ここは俺の家だっての」
この人が、美波先輩……。
初めて見る美波先輩は、今まで見てきた人達の中で一番美人で、そして一番スタイルが良かった。
“綺麗”って言葉がよく似合いそうな、そんな人だ。
……でもなんでだろう。
“可愛い”とゆう言葉が似合う、美咲ちゃんを思い出した。
「とりあえず玄関にいるのもなんだな。清瀬、こっち来い」
「あ。あたしが連れてくっ。恭子ちゃん、こっちこっち」
「は、はい」
にこにこしながら、あたしの手首を掴んでぐいっと引っ張る美波先輩。
その美波先輩が、あたしに背中を向けた瞬間、ようやく気づいた。
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