snow flake〜罪な恋に落ちて〜

Ⅲ―月光―――――


12月も半ばになり、気付けば今年も残りわずか。

街はクリスマス一色に飾られて、それ自体がプレゼントのようだった。


(今年のクリスマスはどうなるかなぁ…)


去年も、一昨年も樹と過ごした。


でも、今年は違うだろう。

互いに想ってる人が違うから。



吐く息が白くなるのを見つめながら、親指がさまよう。

メールをするか電話をするか。


なんて話そう…

何を言っても、「ダメ」ッて言われるだろうけど。


迷ってはいても、足は勝手に動くもので、いつの間にか目的の場所に着いてしまう。

夜が深くなるにつれて、街にさ更に人が増える。

目の前の建物に吸い込まれていく女性達を見て、踵を返した。



やっぱり、やめよう。





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