snow flake〜罪な恋に落ちて〜
「りょーかい!時間もったいないし、早くいこ?」
伊織は私の上着を取ると、一足早くオフィスを出て行く。
何も変わらない彼女に安心した。
背中に微笑んで、私も席を離れた。
移動販売で売ってる日替わりのお弁当を調達し、オフィスに隣接してるテラスに向かう。
この季節になると先客は少ない。
2人掛けのベンチに座った。
午前中にあった事案の報告や、クレームへの対応方法の相談。
最終的にはリーダーへの愚痴まで、一通り話したところで休憩時間は半分を過ぎた。
お茶を一口飲む。
前髪をかきあげ、『良かった』と伊織は微笑んだ。