【完】冷徹仮面王子と姫。
「好きなんでしょ?一香の事。いい加減はっきりしないと、もう夏休みよ?」


「分かってる―――…」


「分かってないんじゃない?」



 アゲハが恭一の目を見据えた。


 不自然に逸らされた事に気づかない程、彼女は鈍くはない。


 彼の隣にゆっくり腰を下ろす。



「…俺と話してていいのか?瀬能は?」


「一応言ってきたから平気よ。ご心配なさる必要は無いわ」


「いちいち腹立つ口調だな」


「一香と違って捻くれ者なんで」



 大きな溜息をつく恭一。



「次の日曜、駅の近くのモールの西口に来て。じゃぁ用は済んだから」



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