【完】冷徹仮面王子と姫。
「山浦っ」


「…しつこい男は嫌われるわよ?用は済んだって言ったじゃない。あたし一香のところに戻るから」



 そう言ってアゲハは屋上から出て行った。


 悠々たる姿に、かける言葉は無かった。



 一人になった屋上で、舌打ちをした。



 ―――何なんだよ、一体。


 どうして俺がそんなところに。



 しかし数秒後には、もう行くしかないと諦めた。


 そして暫し考え事を続けて…教室へと戻る。



 屋上の空気は、どこか安心したようだった。


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