【完】冷徹仮面王子と姫。
 瀬野君の顔が、途端に真っ赤になった。何を言おうとしてるのか…。


 というか、男の子もこんな風に赤くなることがあるんだ。


 それだけで凄く意外だったし、先の言葉が更に気になる。



「……俺、山浦の事好きなんだよね」



 ――――確認しよう。あーちゃんの本名は山浦 アゲハ。


 そして、他のクラスはともかくこのクラスには山浦という苗字は一人だけ。そもそも誰一人として名前が被ったりはしていない。


 それはそうと、なぜあたしに?……尋ねる前に、その答えは彼自身から聞くことになる。



「及川って山浦と仲いいじゃん?相談乗って欲しかったんだよ」


「……なるほど、そういうことかぁ」



 あーちゃんのことを、目の前の瀬能君は、好きと言った。


 大切な親友が好かれているのを聞くだけで、素直に嬉しいと思う。


 わくわく、する。


 先程の表情も、わざわざ呼び出さなければいけなかったのも、全て腑に落ちた。


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