嘘つきな彼氏彼女
それから…二週間は本当に平和だった。梓ちゃんとは学校で会うことすらなかった。
「聖一君…」
「あ?」
いつもの帰り道。こうやって帰るのも、あと二週間だと思うと…やっぱり寂しい。
「聖一君は…どうして……」
「ん?」
“私と付き合おうと思ったの?”なんて聞けない。
「千帆?」
「なんでもない…あ、今日ね………」
「………」
聞けない。聞きたくない。聖一君の口からバツゲームなんて。
「…………」
「!?ど、どうしたんだよ…俺、何かした?!」
どうしてーそんなに困った顔してるの?なにがあったの?
「聖一君?」
「俺といるの辛い?何かした?俺ー気をつけるから…泣くなよ。」
あぁ、私、泣いてるんだ。
聖一君の前では笑顔でいたかったのに………私、泣いてるんだ。